食品と微生物(酵母、カビ編)

じゅんさいときりたんぽの安藤食品

勉強会?

酵母による変化

酵母は、細菌の増殖が止まるAW0.9以下の食品の腐敗要因となっている。
これより水分活性の高い条件でも成育するが、0.91以上では細菌の繁殖が著しく早いため酵母やカビは成育しにくいのである。
酵母は、炭水化物の多い食品によく成育し、蛋白食品にはほとんど成育しない。特殊な耐塩性、耐糖性酵母は別にしても多くの酵母は、AW0.88以下の食品では成育しない。最適phは細菌より低く、ph4.5〜5の微酸性でよく成育する。

AW、phが低く、細菌の繁殖に適さない果汁や漬物の漬液を変質させるのも酵母の影響によることが多い。

・酵母の成育温度・・・・25℃〜32℃(65℃前後で死滅)
・成育の上限・・・・・・40℃
・成育の下限・・・・・・5℃

酸素の少ない条件下でもよく増殖、アルコールや炭酸ガスを発生、密封した袋詰め食品の膨張原因にもなる。
具体的には塩蔵野菜、漬物の産膜酵母(白カビ、好塩性で好気性の酵母)による変質、味噌やもろみの膨張、醤油の白濁(醤油のカビ)、ジャム、ゼリー、マーマレードや蜂蜜の変質に関係することが多い。

カビによる変化

カビは細菌や酵母に比べ、水分活性の低い食品にも成育するが、酸素のない環境では死滅する。またでんぷんとか糖の多い食品にも生えやすい。したがって、水分活性の低い佃煮類や乾燥果実、もちや菓子類でも成育するが、好気性であるため真空包装した製品や脱気したビン、缶詰では発生しない。

成育範囲
・ph2〜8・・・・(酵母よりやや酸性側の傾向を好む)
・最高成育温度・・40℃
・最低温度・・・・0℃付近(青カビや毛カビは0℃以下でも徐徐に育成)

40℃以上、0℃以下でも成育しないといっても死滅するわけではなく、あくまでも増殖が停止するだけで長期間置くと徐々に菌数は低下するが適温に戻すとふたたび活発に増殖する。毛カビや青カビのようにモール状の菌糸を発生するものばかりではなく、肉眼では菌糸のみられない生麺や卵の表面にピンクや黒色の斑点を生じるだけのものもある。

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